(改善のためのチェックポイント)

1.どういう状態ですか。

人前で話す時などに緊張し構えてしまうために、思うように言葉が出なくなってしまうのが、自分から話しかけられない悩みの特徴になります。
なお、あがり症や嫌われ恐怖症の一種だと言っても良いと思います。
最近よく言われるコミュ障も自分から話しかけられない悩みと同じ事だと考えて良いのではないかと思います。
また、3人以上だと話せない悩みも自分から話しかけられない悩みと、かなりの部分で重なっていると思います。
また、内向的で人の思惑を必要以上に気にしてしまうことも多いと思います。
ですから、こういう傾向が見られるかどうかが、自分から話しかけられない悩みかどうかの1つのチェックポイントになると思います。

2.何が原因ですか。

自分から話しかけられない悩みも人の目が怖い悩み人が苦手な悩みと同様に神経症から来るものですから、基本的には他の神経症の場合と同じ原因になります。
つまり、人前での緊張や不安など、誰にでも時には起きて当然の状態を異常なことだと考え排除してしまうために、逆に、ここに「とらわれ」が起こり悩みをますます強くしてしまうものなのです。
そして、この繰り返しの中で、自分から話しかけられない悩みが起こってくると考えて良いと思います。
つまり、ちょっとした人前での緊張や苦手意識を重大なことだと考え、自分の意志の力で変えようとしてしまうところに問題があると言えるのです。
つまり、たまたま、その時の状況で緊張や苦手意識を感じた時に、これは大変だと考え、人と接する状況を避けることを繰り返すことで、人前での緊張や苦手意識に対する「とらわれ」を強くしてしまうものなのです。

3.どう対応したら良いのですか。

鬱病とか純粋に心の異常から来る調子の悪さの場合には無理をせずに薬をきちんと飲むようにしていくことが大切なのですが、自分から話しかけられない悩みから来る調子の悪さの場合には、これとは正反対の対応が必要になってくるのです。
つまり、緊張や調子の悪さはそのままに目的本位など森田理論の考え方に沿って、頑張るようにしていくことが大切になってくるのです。
こうしていく中で緊張や調子の悪さに対する「とらわれ」が薄れてくると、この結果として、自分から話しかけられない悩みが改善してくるものなのです。
また、ここに自分から話しかけられない悩み克服のためのチェックポイントがあると言って良いと思います。
つまり、自分から話しかけられない悩みの場合は、いくら薬を飲んだりしても、これではかえって緊張や調子の悪さに対する「とらわれ」を強くすることになってしまい良くならないものなのです。

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