(克服のためのチェックポイント)

嫌われ恐怖症は神経症のもっとも代表的な悩みになります。
あがり症と呼ばれる悩みと基本的には同じものだと考えて良いと思います。

具体的には、トップページにも書かせて頂きましたが、人前でのあがりや緊張、内気な性格の悩み、赤面、手や足の震え、異常な汗かき、人見知りなどが嫌われ恐怖症の主な悩みになります。
また、これら以外にも人目が気になることや、話の輪に入れない、笑う時に顔が引きつってしまうなどの悩みが良く見られます。

嫌われ恐怖症に悩んでいる時は、緊張や不安、赤面、発汗、震えなどを感じて当然の時でも、これを異常なものとか恥ずかしいことと考え、自分の力で無理に無くそうとしていることが多いものです。

しかし、これは神経症の場合、気分本位の「はからい」の行動になってしまうために、邪魔者扱いし排除しようとすればするほど逆に、ますます緊張や不安、赤面、震えなどを強くしてしまうという「マイナスの循環」に陥っているものなのです。
今は嫌われ恐怖症の場合でも病院に行くと薬を処方されることが多いですが、これも神経症の場合は気分本位の「はからい」の行動になってしまうものなのです。

つまり、嫌われ恐怖症は脳などの体の異常から来る病気ではなく、緊張や不安といった感情を自分の意志の力で変えることが出来るという「誤った認識」に引きずられて行動していることから起こるものなのです。
森田理論では、これを気分本位の「はからい」の行動と言っていますが、こういう誤った方向の行動を繰り返してしまうことで、ますます嫌われ恐怖症を強くしているのです。

そして、この結果、人から変に思われたらどうしようという不安に対する「とらわれ」が出来ているのが嫌われ恐怖症に悩んでいる状態だと言えるのです。

ですから、薬や暗示、訓練や練習などで嫌われ恐怖症の悩みだけに目を向け、これを取り除こうとする方向では、これは気分本位の「はからい」の行動になってしまいますから、一時的には良くなったように感じても、少し経つと、また悩みが起こることが多いものなのです。

しかし、MTカウンセリングにより森田理論の学習をしていく中で「誤った認識」が正され「とらわれ」が和らいでくると、この結果として、嫌われ恐怖症を根本的に克服することができるものなのです。

つまり、目的本位や「事実唯真」など、森田理論の考えに沿って行動するようにしていくと、症状の元になっている緊張や不安を必要以上に大きくしなくて済み、この結果、少しずつ、嫌われ恐怖症を克服していけるものなのです。

ですから、ここに嫌われ恐怖症を克服していくためのチェックすべきポイントがあると言って良いと思います。



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