(解消のためのチェックポイント)

眠れない悩みは今夜もまた眠れなかったらどうしようと不安になってしまうのが代表的な表れ方ですが、人の目が怖い悩みや電車に乗るのが怖い悩み、自分から話しかけられない悩み、人前で緊張してしまう悩みと共に神経症の代表的なものになります。

昔は睡眠薬は病院で手に入れるしかなかったものです。
しかし、数年前から市販の睡眠薬も発売されるようになり、非常な売れ行きとのことです。

これは、それだけ現代は眠れないことに悩む人が多いということの1つの証拠なのだと思います。

パソコンやスマホを初めとして科学技術が進歩し、生活が便利になったことで、かえって今まで感じなかったようなストレスを感じることが多くなったという可能性もあるのではないかと思います。

そして、このストレスから眠れないことで悩む人も増えているのではないかと思います。

しかし、神経症から来る場合は薬を飲んで一時的には効果が見られてたとしても、少し経つと、また眠れなくなってしまうことが多いものなのです。

これは神経症から来る眠れない悩みが「うつ病」などの場合とは、その起こるメカニズムが全く異なるからなのです。

うつ病などの場合は薬によって、この量を調整することで眠れるようになるものなのです。

しかし、神経症から来る眠れない悩みの場合は、「今夜もまた眠れなかったらどうしよう」と「予期不安」を感じていることが多いものなのです。
つまり、睡眠に対する「とらわれ」が大きく影響しているものなのです。

このため、いくら薬を飲んでも、これでは根本的な対策にはならないと言えるのです。

また、神経症から来る眠れない悩みの場合は、眠れない時に「これは大変だ、どうしよう」と感じ無理に寝ようとしてしまうために、逆に余計に目が冴えてしまうものなのです。
(なお、この傾向が見られるかどうかが神経症から来る眠れない悩みかどうかの1つのチェックポイントになると思います。
つまり、うつ病などの場合は、こういう予期不安はあまり感じないものなのです。)

ですから、神経症から来る眠れない悩みの場合は、眠れない時に無理に寝ようとせず「寝る形を整える」ようにしていくと良いと言えるのです。
つまり、薬に頼らず、決めた時間に布団に入り体を横にして軽く目を閉じ「寝る形を整える」ようにしていくと、少しずつ不眠に対する「とらわれ」がうすれ、眠れるようになってくるものなのです。

後は、森田理論の考えを参考にしながら毎日の生活を送るようにしていくと、この繰り返しの中で少しずつ睡眠のリズムが整い、不眠に対する「とらわれ」から抜け出していくことが出来るものなのです。
そして、この結果、眠れない悩みを解消していくことが出来るのです。

こういう意味で、眠れない悩みを解消するためのチェックポイントは森田理論の考えを頭に入れた上で、無理に寝ようとせず「寝る形を整える」ようにしていくことだと言って良いと思います。



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