(克服のためのチェックポイント)

1.どういう状態ですか。

仕事のことや、将来の生活のことに対して不安を感じたり、心配になってしまったりすることは、多かれ少なかれ、誰にでもあることだと思います。
しかし、こういう誰にでもある、感じて当然の不安や心配を異常なことだと考え排除しようとしてしまうと、ここに「とらわれ」が起こり、取り越し苦労の悩みが起こってくるものなのです。
つまり、取り越し苦労の悩みというのは常に将来のことに対して不安や心配を感じている状態だと言って良いと思います。
人の目が怖い悩みの場合であれば、また人前で緊張しぎこちなくなったらどうしようと感じ怖くなってしまうといった形で現れてきます。
また、顔が赤くなる悩みの人であれば、また顔が赤くなったらどうしようと取り越し苦労し、人と会うことを避けてしまうことも多いものなのです。
そして、取り越し苦労の悩みの方に注意が向く結果、目の前の、しなければならないことが疎かになっていることが多いものなのです。
つまり、こういう傾向があるかどうかがMTカウンセリングを適用できる取り越し苦労の悩みかどうかのチェックポイントになると思います。

2.何が原因ですか。

取り越し苦労の悩みの場合も、感じて当然の不安や心配を異常なことだと考え排除するという、誤った認識が根本的な原因になっていると言えるのです。
これは神経症に悩んでいる時に誰にでも見られることなのですが、本来、人間における自然現象である不安や心配といった感情を自分の意志の力で変えようとしてしまうところに問題があるのです。
森田理論では、これを「気分本位」の「はからい」の行動と言っていますが、こういう形で誤った方向に考え行動してしまうことで取り越し苦労の悩みが、より強くなってくるものなのです。

3.どう対応したら良いのですか。

森田理論の学習をしていく中で不安や心配といった感情を「あるがまま」に受け止めることが出来るようになると、必要以上に強く感じていた不安や心配といった感情が和らぎ、これに比例して取り越し苦労の悩みも改善してくるものなのです。
つまり、森田理論の学習を通して誤った認識が正され、目的本位に行動することが出来るようになると、この結果として、取り越し苦労の悩みを克服することが出来るものなのです。
ですから、ここに取り越し苦労の悩み克服のためのチェックポイントがあると言って良いと思います。

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