(克服のためのチェックポイント)

顔が赤くなる悩みは、あがり症嫌われ恐怖症に最も良く見られるものであり神経症全体から見ても最も多くの人に現れるものだと言って良いと思います。

人前で失言したり何か失敗したりした時は誰でも顔が赤くなったりしますが、このことが人から変に思われる恥ずかしいことだと感じ異常に気になり常に自分の顔が赤くなることに注意が向いてしまうのが、顔が赤くなる悩みの一般的な現れ方だと言って良いと思います。

なお、顔が赤くなる悩みは小学校の高学年から中学校位の時に出てくることが多いものです。
いわゆる思春期に入り異性の存在を意識し始める時期に顔が赤くなる悩みも起こりやすいものなのです。

一般的に神経症の場合は何年とか何十年という長い期間、悩みが続くものなのですが、この顔が赤くなる悩みの場合も長い人になると50歳60歳といった中年になっても悩み続けているいる人が多いものです。
作曲家のチャイコフスキーが中年になっても顔が赤くなることに悩んでいたという話も聞いた事があります。

なお、このように中年になっても顔が赤くなることに悩んでいる人は女性よりも圧倒的に男性の方が多いように感じます。
女性の場合は出産や子育てといった経験を経ていく中で男性よりも精神的にたくましく、強くなりやすいのかもしれません。

また、良く言われる、赤ら顔というものも、これが常に気になり毎日の生活に支障が出るレベルになっている場合は顔が赤くなる悩みに含めて考えても良いのではないかと思います。

なお、顔が赤くなる悩みの場合も人前で顔が赤くなることを、他人から変に思われる非常に恥ずかしいこと、異常で絶対にあってはならないことだと考え排除していることから、逆に余計に必要以上に赤面しやすくなっているものなのです。

ですから、まず人前での緊張や不安、顔が顔が赤くなることを今は起こって当然であり仕方のないことなんだと受け止めるようにしていくことが大切なチェックポイントになってくると思います。

これは、「あるがまま」など森田理論の考えを理解していないと、なかなか難しいことだと思いますが、森田理論の学習をしていく中で充分、受け止められるようになってくるものなのです。

そして、この上で目の前の「なすべきこと」を一つ一つ、きちんとこなすようにしていくと、この繰り返しの中で少しずつ顔が赤くなる悩みが和らいでくるものなのです。

ですから、顔が赤くなる悩みを克服するチェックポイントは人前での緊張や不安、赤面を今は感じて当然のことなんだと受け止め、この上で目の前の「なすべきこと」をきちんとこなしていくことだと言って良いと思います。

また、人前で顔が赤くなることは自分自身では非常に恥ずかしく異常なことだと感じやすいのですが、他の人から見ると、それほど重大には受け止めていないという事実をきちんと自覚していくことも大切だと思います。

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