(克服のためのチェックポイント)

1.どういう状態ですか。

あがり症や人の目が怖い悩みなどの神経症に悩み、内気な性格の悩みを強くしている時は人が自分の症状に気づき嫌な思いをしているとか、自分のような人間は人から嫌われて当然だと感じていることが多いものなのです。
森田理論においては、これを「劣等感的投射」と言っていますが、神経症に悩み、内気な性格の悩みを強くしている時は自分の性格と結びつけて物事を感じやすくなっているものなのです。
そして、このために自分に自信を持てなくなっていることが多いものなのです。

2.何が原因ですか。

内気な性格の悩みの場合、背が低いとか太っているとか、こういう外見的なことよりも自分の性格のことなど内面的な原因の方が大きいものなのです。

そして、神経質性格の人間は人一倍、欲求が強く高いところから自分を見てしまうために、どうしても内気な性格の悩みを感じやすいものなのです。
つまり、完全欲の強さからくる「かくあるべし」の「とらわれ」が内気な性格の悩みを感じやすくする原因になっているのだと思います。

3.どう対応したら良いのですか。

神経症に悩んでいる時の内気な性格の悩みは森田理論の学習をしていく中で自覚が深まってくると、これと併行して自然に薄れてくるものなのです。
ですから、内気な性格の悩みに目を向けるのではなく内気な性格の悩みはそのままに森田理論の学習をしていくのが一番の近道だと思います。
そして、このためには目的本位など森田理論の考え方に沿って毎日の行動の仕方を変えるようにしていくことが大切になってくるのです。
今は神経症の場合でも病院に行くと適当な病名を付けられ薬で対応することが増えていますが、薬を飲むことで表面的に悩みを感じなくさせても神経症の根本原因である「誤った認識」が正されない限り内気な性格の悩みはなくならないと言えるのです。
こういう意味でも、薬だけに頼るのは危険なことなのだと思います。

そして、これが内気な性格の悩み克服のためのチェックポイントになると言って良いのではないかと思います。

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