(克服のためのチェックポイント)

1.どういう状態ですか。

電車に乗るのが怖い悩みは不安神経症の場合にもっとも多く見られるものになります。
つまり、飛行機恐怖症の場合と同様に電車に乗っている時にドキドキや息苦しさ、めまいなどが起こり、このまま死んでしまうのではないかと感じてしまうのが、電車に乗るのが怖い悩みということになります。
電車に乗るのが怖い悩みも神経症の一つに入るものなのですが、人の目が怖い悩みなどとは異なり、直接的な死の恐怖を感じるというところに特徴があります。
このため、ドキドキや息苦しさなどが起こった時に「これは大変だ、このまま死んでしまうのではないか」と感じ、救急車を呼んだりすることが多いものなのです。
ですから、こういう傾向があるかどうかが電車に乗るのが怖い悩みを見極める1つのチェックポイントになると思います。

2.何が原因ですか。

電車に乗るのが怖い悩みの場合、その根本的な原因は死の恐怖に対する「とらわれ」にあると言って良いと思います。
つまり、動悸や息切れ、過呼吸が起こった時に、このまま死んでしまったらどうしようと死の恐怖を感じ狼狽えることで、逆に動悸や息切れ、過呼吸を強くしてしまうものなのです。
そして、この死の恐怖に対する「とらわれ」は他の神経症の場合と同じように悩みに引きずられて「なすべきこと」から逃げてしまうという気分本位の行動を取る「クセ」から起こってくるものなのです。
つまり、動悸や息切れ、過呼吸といった状態が、また起こったらどうしようと、この不安に引きずられ、電車に乗ることから逃げてしまうという気分本位の行動を繰り返してしまうために起こってくるものなのです。
つまり、こういう気分本位の行動を取ると一時的には楽が出来るのですが、長い目で見ると、ますます電車に乗るのが怖い悩みを強くすることになってしまうのです。

3.どう対応したら良いのですか。(克服法)

電車に乗るのが怖い悩みの場合も、悩みだけに目を向け、これを取り除こうとする方向では、一時的に改善したように見えても、長い目で見るとぶり返してしまうことが多いものなのです。
ですから、薬を飲むだけではなく、森田理論の学習を通して、誤った認識や「気分本位のクセ」を直していくことが大切になってくるのです。
つまり、これが電車に乗るのが怖い悩み克服のための大きなチェックポイントになると言って良いと思います。
つまり、森田理論の学習をしていく中で、死の恐怖に対する「とらわれ」が薄れ、心の置き所が変化してくれば、この結果として、電車に乗るのが怖い悩みを克服していくことが出来るものなのです。

次のページへ