(克服のためのチェックポイント)

1.どういう状態ですか。

汗っかきの悩みというのは、人と面と向かって話している時などに、手のひらや顔面、わきの下に極端に汗をかいてしまうことで悩んでいる状態を言います。
そして、このために人から変に思われると感じてしまうのが、神経症の「とらわれ」が原因になっている汗っかきの悩みの特徴だと言って良いと思います。
また、季節的には、夏のように暑い時期よりも、かえって春や秋、冬といった時期の方が汗っかきの悩みが気になってしまう人が多いように思います。
これは、暑い時期であれば誰でも汗をかくために、自分の汗を異常だと感じにくいからだと思います。
しかし、春とか秋といった他の人はあまり汗をかかない時期に自分だけ顔やわきに汗をかいてしまうということで、周りの人から変に思われると感じ、恥ずかしくなってしまうのが神経症から来る汗っかきの悩みの特徴だと言って良いと思います。
また、神経症から来る汗っかきの悩みの場合は手術をしたり薬を飲んだりして、一時的には良くなったように感じても、また少し経つとぶり返してしまうことが多いと思います。
ですから、こういう傾向があるかどうかがMTカウンセリングで治せるかどうかの1つのチェックポイントになると思います。

2.何が原因ですか。

汗っかきの悩みの場合は、わきがと同様に体質的なものが原因である場合もありますが、今、上に書いたような形の神経症から来る汗っかきの悩みの場合は顔が赤くなる悩みなど他の嫌われ恐怖症やあがり症の場合と同様に、顔やわきに汗を異常にかいてしまうことで周りの人から変に思われたらどうしようという不安が原因になっているものなのです。
つまり、顔やわきに汗を異常にかいてしまうというところだけに目を向け、これを無くそうと誤った方向の努力をしてしまうために、逆にますます汗をかきやすくなってしまうと言えるのです。
具体的に言えば、人と接することを避けてしまうとか、わきの汗が目立たないようにと汗パットなどを使ったりしてしまうことなのです。
また、さっきも書きましたが、手術をしたり薬を飲んだりしてしまうことも、神経症から来る汗っかきの悩みの場合は誤った方向の努力ということになってしまうのです。
森田理論では、こういう行動を「気分本位の行動」と言っていますが、これによって一時的には楽が出来たとしても長い目で見ると汗っかきの悩みは逆に、ますます強くなってしまうものなのです。
これは神経症から来る汗っかきの悩みは汗に対する「とらわれ」が出来た状態だからなのです。

3.どう対応したら良いのですか。

今、上にも書きましたが神経症から来る汗っかきの悩みの場合には顔やわき、掌の汗だけに目を向け、これを取り除こうとする方向では一時的には良くなったように見えても長い目で見ると再発してしまうことが多いものなのです。
ですから、手術とか薬といった方法ではなく、森田理論の学習を通して誤った認識や「気分本位のクセ」を直していくことが大切になってくるのです。
つまり、森田理論の学習をしていく中で、顔やわき、掌の汗に対する受け止め方が変化し、「あるがまま」に受け止めることが出来るようになれば、この結果として汗っかきの悩みは改善してくるものなのです。
ですから、ここに汗っかきの悩みの克服のためのチェックポイントがあると言って良いと思います。

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